どうも小林です。今回は伝統工芸品について書こうと思います。そこでみなさんに質問です。民芸品と工芸品の違いってわかりますか?
ぼくも調べるまでは知らなかったのですが、大きくわけると一緒なんです。びっくり。いきなりそんなこと言うなよと思いますが、しょうがありません。
民芸品と工芸品の違い
民芸品も工芸品も「日常的に使うもので手作業によって作られたもの」という定義は一緒で、それが比較的名もない方の作品だと民芸品、名のある作家が作っていると工芸品になるようです。というのも民芸品の正式名所は「民衆的工芸品」なのです。なので工芸品なのです。そこからさらに位が上がったものを伝統工芸品というみたいです。
ぼくは勝手に民芸品は「どこかちょっとふざけたテイストが入っているもの」と思っていました。なんか謎の木彫りとか、謎のお面とか…
それでは伝統工芸品とはどんなものなのでしょうか?なんとなく、職人さんが作っていて、地域に根付いてるもの、くらいかと思っていたんですけど、こちら明確な定義がありました。
まず伝統工芸品というのは、経済産業省が定めているもので、以下経済産業省のホームページからの引用です。(2023年3月16日確認)
伝統工芸品とは
・主として日常生活の用に供されるもの
・その製造過程の主要部分が手工業的
・伝統的な技術又は技法により製造されるもの
・伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
・一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの
上記5つの項目を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号、以下「伝産法」という)に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。
原材料も伝統的
伝統的に作られるだけでなく、原材料まで伝統的なものでないといけないとは知りませんでした。
この伝統的というのは100年以上のことをさすみたいで、100年以上の歴史がないと、経済産業省の伝統工芸品には認めてもらえないみたいです。
経済産業省が認めた伝統工芸品は現在240品目、最も多いのが東京の21品目、次いで京都の17品目、日本全国47都道府県に伝統工芸品はあるのですが、なんと2000年までは千葉県と熊本県には伝統工芸品の指定を受けたものがありませんでした。
2003年に千葉で1品目、熊本で3品目認定され、47都道府県すべてに伝統工芸品があることになりました。
気になる千葉の伝統工芸品第1号は「房州うちわ」恥ずかしながら、千葉県でうちわ作りが盛んだというのを知りませんでした。
関東でうちわづくりが盛んになったのは江戸時代からで、当時千葉県(房州)はうちわの材料となる竹の産地でした。1880年ごろからうちわづくりが始められ、その後うちわの産地として栄えました。房州うちわは、京うちわ、丸亀うちわと並んで日本三大うちわのひとつとして数えられています。
100年以上たってるし、原材料の竹も歴史あるだろうし、しかも日本三大うちわのひとつなら、なぜもっと早く認定されなかったのか不思議ですが、その後、千葉工匠具も加わり現在千葉県では2品目が伝統工芸品として認定されています。
認定が遅かったのは千葉と熊本ですが、千葉が2品目、熊本が4品目と数は伸ばしています。
しかし、全国には1品目しか認定されていない県もあるのです。それが青森県、大分県、宮崎県の3県です。青森県は津軽塗、大分県は別府竹細工、宮崎県は都城大弓。もう少しありそうな気もするんですが、青森県だと、こぎん刺しとか、津軽びいどろ、南部裂織(なんぶさきおり)とかどうでしょうか?経済産業省のみなさんよろしくお願いします。
ちなみに東京の青山に伝統工芸青山スクエアという全国の伝統工芸品を扱うショップがあるので、ぜひぜひ足を運んでみてください!
めちゃくちゃ素敵なものがたくさんあります!
筆者:小林知之
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