問題、次のキーワードから連想される都道府県を答えなさい。オリーブ、さぬきうどん・・・
「ピンポン!」香川県!
正解です。このコラムを読んでいる方ならオリーブの段階で早押しボタンを押した方も多かったのではないでしょうか。早押しとは言っていなかったので、キーワードが出そろってから答える方式だと思っていたみなさん失礼しました。どうもこばやしです。
クイズ番組でこんな簡単な早押しは出ないと思いますが、連想されるものが強い香川県。今回はそんな香川県を紹介します。
香川県の県名の由来を知っていますでしょうか?これまた日本昔話のような由来なのですが、香川県の漢字の通り「いい香りのする川が流れていたから」。
川のにおいなんてどれも同じだろう!そう感じている方、それって情報過多の現代病かもしれませんよ。もっと五感を研ぎ澄まして生きてください。スマホも柔軟剤もスパイスカレーもなかった時代、川のにおいまでかぎ分け、季節の移り変わりを感じていたのかもしれません。そんなことは置いといて、どういうことかというと、香川の奥山に、樺川という川(現在の「香東川」)があり、その土地に「樺の木」がたくさん生えていました。この樺の木(現在でも香水の原料になっている)からでる香りが川の水にうつって流れ、いい香りをさせていたことから「香川」と呼ばれるようになりました。そしてその名前が地名として定着していったそうです。
「かおるかわ」と書いて「香川」素敵じゃないですか。ちなみに香魚は鮎です。昔の人は香りに敏感だったのかもしれませんね。
香川県といえばオリーブ。ではなぜ香川県だけこんなにもオリーブオリーブしているのでしょう。
それは「日本で初めて栽培に成功した」からなのです。
明治時代、日本でもオリーブを栽培しようと「三重・鹿児島・香川」の3県でオリーブの試験栽培を実施しました。栽培に成功したのは香川県・小豆島だけ。瀬戸内海に囲まれた小豆島の気候環境は温暖で降水量が少なく、日照時間が長いオリーブを育てるのに最適な環境だったのです。これはオリーブの原産地である地中海地方とよく似た環境のためでした。オリーブが作られるようになり、日本初のオリーブオイル製造にも成功し、オリーブを使った製品がつぎつぎと誕生していき香川県はオリーブの県になったのです。ということは小豆島にいけば地中海にいったも同然。ヨーロッパに行かずとも白ワイン白身魚レモンオリーブを感じることができるのです。
小豆島と言えば、地図好きな人にはもう一つ大事な産地ですよね。そうです「三角点」の産地なのです。日本で使用されている三角点のほとんどが小豆島産の「花崗岩(かこうがん)」でできているんです。小豆島には三角点の展示コーナーもあるみたいなので行ってみたいです。
最後に香川といえばさぬきうどん、さぬきうどんといえば香川。
東京でも大人気のさぬきうどん、我が家的に「冷凍庫にいないと困る食材ランキング1位」さぬきうどん。そんなさぬきうどんの特徴は「コシがつよい」。
なぜコシの強いうどんが誕生したのでしょう。もともとうどんは農家の方たちが頻繁に食べる日常食でした。昭和初め頃の小麦は現在の小麦に比べ、たんぱく量が少なく、グルテン質も伸展性や弾力が少ない品種でした。そんな小麦でもちもちとしたコシを作るためには、たくさん練って圧をかけこねないといけませんでした。そこで誕生したのが「足踏み」です。
手でこねるのではなく足でなんども踏み伸ばすことで、独特のコシのあるうどんが誕生しました。
第二次大戦後、香川県でうどん店の数が急激に増えました。お店の数が増えると、競争も激しくなります。そこで効率を考え、注文を受けてから茹でるのではなく、茹でてある麺をあたためて出すお店が出てきました。そして茹でてあっても麺がのびることなく、おいしく食べられるように、より一層踏み鍛え、茹でた後でも伸びることのない、つるっともちもちさぬきうどんが誕生したのです。努力とうどんに対する探究心がさぬきうどんを生んだのです。
独自な気候とそれによってもたらされる食文化や歴史、本当にかおる川は存在するのか?気になるスポット満載な香川県。ゆっくり行きたいですね~!
(参考:香川県公式ホームページ https://www.pref.ehime.jp , 国土地理院ホームページ https://www.pref.ehime.jp)
筆者:小林知之
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