今回のテーマは「日本の川」なのですが、その前にひとつ質問があります。
みなさんの青春の思い出にはどんな景色が残っていますか?
僕は小中高と野球部だったので、野球のグラウンドだったり、素振りをしていた公園の景色が残っています。勝ち負けだけでなく大切なのは友情だと気づいたグラウンド、試合に負けて悔しい気持ちを晴らすためにやみくもに走った公園。
どれもいい思い出だし青春です。
当時はその景色が全てだったし、最高のシチュエーションだと思っていました。
でも大人になるにつれて、最高だと思っていた青春の景色が、なんだかちょっと物足りなく感じてきました。
グラウンドや公園が悪い訳じゃないんですが、なんか足りないというか、それは当たり前のような そして足りないモノに気がついたのです、それは「水」だと。
映画にドラマ、小説にアニメ、CMでも水、川や海が青春度をグッと上げているのです。
グラウンドからの帰り道、土手に座って川を眺めているだけで青春
川沿いをがむしゃらに走るだけで青春なんです、言葉なんか使わずとも青春度が増します。だから青春の景色に川や海が含まれている人をうらやましく思っています。
青春だなんて、うだうだ語ってすいません。
改めて今回のテーマは「日本の川」です。
青春だけでなく日本人の生活には欠かせない川。
小学校の授業でも日本一長い川や流域面積の広い川など、さまざまな川情報を勉強してきたと思います。
海なし県はあっても川なし県は存在しません、大小さまざまではあっても川は生活に青春に密接にかかわっていると思います。
いくつか好きな川があって、その中のひとつが高知県を流れる四万十川です。
日本三大清流とも呼ばれる、日本屈指の人気川です(こばやし身の回りの知り合い調べ) 四万十川には沈下橋と呼ばれる橋があります。
沈下橋とは水かさが増した時に、橋が水面下になっても流されないよう柵がついていない橋です。
20代の時に高知を訪れた時、仲良くしてくれた中学生が、その沈下橋から四万十川に飛びこみました。高さはそこまで高いわけではなく、川の流れもゆっくりで深さもあり、度胸試しというよりは日常的に飛び込んでいる感じでした。
飛び込んだ子に理由を聞いてみると「なんか飛び込むとスカっとして嫌なことも忘れる」と言ったのです。夏の暑い日、山に囲まれ流れる清流、おもむろに橋の上から飛び込む少年。
これこそが青春だと、自分もこんな青春欲しかったなと思った瞬間でした。
このあと僕は青春を取り返すかのように何度も何度も四万十川に飛び込みました。
けれど青春とは違う「無茶なことしたな」という思い出というか、一般的な記憶しか残りませんでした。
川には「源流」と呼ばれる、源があります。大河と呼ばれる四万十川にも、もちろん源流があります。「一滴の水から川は始まる」そんな言葉を耳にしたことはありましたが、実際に見たことはなかったので、見に行きました。
とてつもない山奥に行くのかと思いきや、車を降りて15分ほど歩けば源流にたどり着きました。その水量は閉め忘れた蛇口くらいで、とてもこれが四万十川になっているとは、想像することが難しい量でした。
そこから多摩川の源流も見に行きましたが、同じく大河の一滴のスゴさを目にしました。源流から上流、中流、下流に行くにつれて、景色はもちろん用途やそこに住む人々との関係も変化していきます。そしてきっと青春の景色としての役割も変わってくるでしょう。源流が青春の景色な人はどんな日々を送っていたんでしょう。想像しても思いつきません。
青春もいきなりクライマックスはむかえません、日々の積み重ねが青春として昇華していくのです。みなさんの生活の中に、思い出の中に川はどれくらい入り込んでいますか?
長さや流域面積も大切ですが、時には川の流れに身を任せて思いを漂わせてみるのはいかがでしょう。
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※四万十川で安全に楽しく遊ぶ場合は下記の情報もご利用ください。
【四万十市 公式HP】
「河川水難事故防止!川で安全に楽しく遊ぶために」
https://www.city.shimanto.lg.jp/soshiki/2/1193.html
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筆者:小林知之
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