国旗に込められた平等

国旗にはさまざまな願いや思いが込められている

国旗の成り立ちはさまざまあります。
日の丸は江戸時代の終わりごろ、外国との交流で、日本の船だとわかるよう掲げたことから国旗の成り立ちが始まりました(平安時代などから日の丸じたいは掲げられていたが、国旗としての意識はなかった)
世界の国では、独立した際に国旗が作られることが多いのです。なので独立の時に作られた国旗にはさまざまな願いや思いが込められています。

ということで今回は国旗から平等を考えてみたいと思います。

王家と市民とが平等であるように

 

世界でもっとも人気のある国旗のひとつであろうフランス国旗
青・白・赤、トリコロールと呼ばれる3色旗は世界中の人から愛されています。
そしてこの国旗の色に込められた「自由・平等・友愛」という精神も世界中に多く広まっています。
ここにある平等はフランスの王家と市民とが平等であるように、仲良くしていこうよ!という意味合いが強いのです。

自国だけではなく、世界人類への願い

マレー半島の先端の島国シンガポール
この国はイギリスの植民地からマレーシアの1州として参加し、その後マレーシアから独立した経緯がある。そのため中国系、インド系、マレー系、英国系などさまざまな人種が一緒に暮らしています。
そんなシンガポールの国旗はマレーシアの国旗の面影を残しながら、赤と白の二色で作られています。
赤は世界人類の融和と平等、白は純粋性表しているのです。
自国だけではなく、世界人類への願いを国旗に込めています。そして5つの星は自由、平和、進歩、平等、公正を表しています。どれも国を形成するのに本当に大切なことだと思います。

南アフリカはとても複雑な過去を持ち、さまざまな差別があった国。
国旗の中の黒は黒人、白は白人を表し、ともに仲良く歩んでいこうという意味が込められています。必ずしもではないのですが、国旗は向かって左側が「過去」で「右側」を未来に見立てることがあり、この南アフリカもそうです。
南アフリカの印象的なYは過去と未来という2本の道が1本になるという意味が込められ、植民地時代の過去も踏まえたうえで、未来へ歩いていこうとする、とても力強いメッセージが込められた国旗です。

人々は皆平等である


アフリカは平等を掲げた国旗が多くある、このモーリシャス

もそのひとつ。あまり見かけない横4色の国旗で、この土地に住む多くのインド人、ヨーロッパ人、アフリカ人、中国人を表わしていて、その融和と協調を象徴している。平等であることと一緒に仲良く協力し合うことが大事なのだ。

かつては平等が当たり前ではなかった

国旗にはさまざまな思いや願いが込められる。平等というのは当たり前のことかもしれないが、それがかつては当たり前ではなく、勝ち取って得たものだとしたら、これから先もこの国のもと、平等を掲げていこう!という強い決意とメッセージなんだと思います。
世界にはさまざまな人が暮らし、国には人種や宗教の壁を越えて、さまざまな人が住んでいます。差別のない平等な社会であるよう強く願っています。

中央アフリカの国章

最後に国旗ではなく中央アフリカの国章ですが、上のリボンの部分に「ZO KWE ZO」と書いてあります。これは中央アフリカの言葉で「人々は皆平等である」と書いてあります。色に思いを込めただけだとだめだからもう書いちゃう!思ってても伝わらないなら書いちゃう!書いたらわかるでしょ!
そして下の部分には「統一・尊厳・労働」と書いてあります。ちゃんと働いてね!尊厳は大切だけど、ちゃんと働いてね!そしてみんな平等!
世界ではいま、さまざまな場所で差別に対する運動が行われています。自分でも少し考えるきっかけに、国旗から世界を知ることができるかもしれません。
今回はなんだか硬い話題を取り上げましたが、また国旗の面白い話もお伝えできればと思います!

 

小林知之の画像

 筆者:小林知之
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