伊納忠敬先生

伊能大図

伊納忠敬先生にひかれたポイント

伊能忠敬先生、ここで話さなくても、多くの方がその偉業は知っていると思います。50歳で江戸に出て、天文、暦学を学びおよそ17年をかけて日本全土を実地測量。日本で初めての実測による、日本全図の作成という壮挙を成し遂げた、まさしく偉人中の偉人です。 伊能忠敬先生は、地図製作や50歳にして夢を追いかける姿勢など、多くの人が惹かれる偉人中の偉人ですが、個人的にひかれたポイントがあります。

伊納忠敬先生の最初の目的は

それは最初の目的は地図を作ることではなく「地球の大きさを知りたかった」という所です。なんでしょうかこの子どものような素直な感じと、ロマンあふれる夢物語のような話。日本全図の作成を成し遂げた男は、本来日本全土の作成を夢見ていたわけではないのです。これこそ成功者のエピソードっぽいですよね。「お姉ちゃんが勝手に応募して受かってしまったアイドル」「ボールの反発力を知ろうと野球を始めたらなってしまったメジャーリーガー」のようです。ただ純粋に知りたいことの通過点が地図だったのです。かっこいいな伊能忠敬先生。こんなこと言える立場ではないですが、今回だけ言わせてください「かわいいな!伊能忠敬先生!」もうこれっきりです。こんなこと言うのは。

様々な方法で測量を行う

さてそんな伊能先生は地球の大きさを測るため、地図を作成するために、様々な方法で測量を行いました。梵天をたて、鉄鎖や間縄を使って測量したり、象限儀というものを使い、星の角度を測り、そこから計算したりさまざまな方法で測量しました。測量方法を詳しく知りたい方は、いろいろなページに記載されているので、そちらを見ていただけたらとおもいます。

「間縄」を使った測量

伊能忠敬先生の測量で個人的に気になっているのは「間縄」を使った測量です。間縄は文字通り縄を使って距離を測る、いたってシンプルな方法なのですが、先生は縄の素材に苦労しました。縄は安くていいのですが、水分によって伸縮したり、風にあおられたりするので、精密な測量には不向きでした。そこで鉄鎖になるのですが、その間に「クジラの髭」を使っていたというのです。現代では「縄がダメだから・・・よし!クジラの髭だ!」とは絶対にならないでしょう。というかクジラの髭が測量に限らず、何かの役にたっていた話を聞いたことが無かったので、クジラの髭を間縄に使っていた話は半信半疑でした。そこでクジラの髭は、どのような使い方をされていたのか調べてみました。

すると「クジラの髭やるじゃん!てかクジラの髭の事何も知らなかった!ごめんなさい!」とびっくりすることばかり!


  • 釣竿…弾力性を生かして釣竿の先端部分に用いられていた。
  • 扇子…扇子の要の部分に用いられていた。
  • 傘…ヨーロッパでは傘の骨に用いた。

他にも衣服や人形、ヴァイオリンの弓など、さまざまな用途で使われていて、その人気から乱獲を招くほど。さらに、和裁の単位で「鯨尺」という長さもあり、1鯨尺は37.88㎝。これは仕立てに使う物差しがクジラの髭で出来ていることに由来されたと言われています。 クジラの髭凄いんですよ!いまでいうプラスチック素材のような使われ方をしていたのです。いやー僕が無知すぎました。こんなにもクジラの髭が様々な用途で使われていたとは知りませんでした。それだと縄がダメならクジラだ!となったのもうなずけます。


「地球の大きさを知りたかった」こんな純粋な気持ちをずっと持ち続け、それを実行に移し、さまざまな測量方法を駆使しながら、道具の素材にまでこだわって日本全土の測量をした伊能忠敬先生。さらに尊敬の念が増しました。

小林知之

筆者:小林知之
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