ここ1ヵ月様々な国旗を目にするように
今回は国旗について書きたいと思う。なぜ国旗なのかと言うと、ここ1ヶ月TV、ネット、街中、世間のさまざまな場所で、たくさんの国旗を目にするからだ。これは言わずもがな、ラグビーの力だ。この原稿を書いているいま、まだ大会は続いているが、今回の大会でラグビーが世間に与えた影響は計り知れない、それは将来日本代表を夢見る子供が増えたり、昔からのオールドファンの念願を叶えたり、ただただ勇気と感動をもらったり、たくさんの人々にラグビーの素晴らしさと影響を与えてくれました。そして、チームを紹介するときには国旗が登場し、対戦表にも国旗が使われ、国旗を目にする機会が圧倒的に増えました。ラグビーのユニフォームも国旗と関係している国もあります。まさに日本がそうですが、日の丸の赤と白、この色がそのままユニフォームになっています。ユニフォームだけでも国旗の存在を感じることができるのです。
国旗からその国を知る
さて、国旗からラグビーを感じている、にわかファンの私ですが、この原稿を書いているいまは、10月20日。日本ラグビー界にとって歴史的な日になるかもしれない日なのです。対戦するのは南アフリカ共和国。
南アフリカ共和国の国旗は何となくは知っているけど、詳しくは知らない人がほとんどだと思います。「何となく、Yになってて、色がたくさん使われている」イメージだとこれぐらいかもしれません。歴史的1勝を勝ち取るためには、相手をもっと知る必要があります。詳しく南アフリカ共和国の国旗を知っていきましょう。
南アフリカ共和国はオランダ、イギリスの植民地となり、その後1910年に独立したもののアパルトヘイトに苦しんだ、しかし1994年アパルトヘイトの時代がようやく終わり、大統領に就任したネルソン・マンデラ率いるアフリカ民族会議によって、現在の国旗が決まった。この時は「とりあえずこの国旗にしましょう!」といって決まったのだが、希望と団結を表している素敵な国旗だということで、正式に国旗として採用されることになった。
この歴史を踏まえて、改めて南アフリカ共和国の国旗を見てみましょう。
国旗の色に意味が込められている
黒と黄色の三角に緑と白のY、そして赤と青のライン。国旗の色には意味が込められていることが多く、青は海や空の色、緑は自然豊かな森といった具合に、その国を表すものが多い。でも南アフリカ共和国の色の意味合いは他の国旗と少し違った作りをしている(現在は非公式に各色に意味合いを持たせたりしている)。南アフリカ共和国はアフリカ民族会議、オランダ、イギリス、3つの旗をうまく組み合わせて作られた国旗なんです。
南アフリカ共和国の国旗の色は、黒と黄色と緑はアパルトヘイト開放の力となった「アフリカ民族会議」白と赤と青はもとの支配者であった「オランダ」「イギリス」からとった色なのです。こうして並べてみる「なるほど!」とうなずいてしまいます。そして印象的なYは過去と未来という2本の道が1本になるという意味が込められているのです。植民地時代の過去も踏まえたうえで、未来へ歩いていこうとする、とても力強いメッセージが込められた国旗なのです。
あらためて敬意を表することができる
これは南アフリカ強いでしょ!相手を知るとあらためて敬意を表することができます。ちなみに南アフリカ共和国のラグビーのユニフォームの色は緑と黄色、これも日本と同様、国旗からとった色で、しかもアフリカ民族会議の色。どちらも国旗をユニフォームに取り入れてる国同士の激突です。これが公開される時には結果は出ているのですが、日本も南アフリカ共和国もどっちもがんばれ!
筆者:小林知之
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